立ったまま入浴

長野 温泉宿のような宿はおろか、施設は何もない。

脱衣してまずは入湯。

直径1メートルの丸井戸のへりに手を掛けておずおずと身を沈める。

ぬるい。

35度くらいか。

透明。

底は栗石が敷かれて背が立つ。

深さ1メートル20センチくらい。

湯は底から湧き上がるせいか汚泥がない。

首まで浸って思わず両手を挙げて萬歳の意を表す。

底からはあぶくがプクプクと舞い上がる。

何だか石川五右衛門釜如での心境だ。

昭和20年まで富士見館と阿蘇山館の二軒の宿が営業していたが、終戦によりアメリカ軍の演習地となり、一夜にして撤去されたという。

湯の起源は仲哀天皇の御宇といい、明応8年(1499年)、文屋綱秀が我楽目嬉温泉と命名したという。

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